2018年10月30日火曜日

【禁じられた国々】クロノス・クァルテット

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2018年10月20日
【ミュージック・フォー・チェンジ:禁じられた国々】
クロノス・クァルテット
 @Bing Concert Hall (スタンフォード大学)

サンフランシスコを拠点に
世界各地で活躍する
クロノス・クァルテットを
聴きに、スタンフォード大学に
行ってきました。

サンフランシスコで聴いてみたい!
とずーっと思っていた弦楽四重奏団。



クロノス・クァルテットといえば、
その卓越した音楽性と腕前で、
クラシック音楽の古典のみならず、
現代の若手作曲家や
他ジャンルの作曲家と一緒に活動したり、
現代の政治や社会を反映した
挑戦的な作品を演奏したりすることで有名。

スタンフォード大学には
Bing Concert Hallという有名なホールがあります。



遠くからでも目を引くかっこいいデザイン。
円柱の外側に直方体をかぶせたような
ユニークな形です。 



このBing Concert Hallは
とても贅沢に空間が使われていて
居心地が良く
気持ち良いホールです。

ホール内にたどり着くまでに、
テラス、ロビー、竹などが植えられた中庭、回廊、
と何重にも空間があるので
外の音はホール内では完全に遮断されていて、
音楽のみに集中できます。

日本のホールは
遮音の設備がきちんとしているところが
多いと思いますが、
アメリカの大きな都市のホールは
とくに古いホールに多いですが、
遮音が不十分なことがあり、
よく救急車や消防車、街の音が
普通に音楽演奏中に割り込んでくるのです(笑)
たとえばニューヨークのカーネギーホールだと、
救急車のサイレンや車のクラクションが
演奏中にも聞こえてきて、それはそれで、
ニューヨークにいるんだなという感じがして
面白くもありますが。



開場前に少し早めに着いて、
大学構内も散歩してみました。
スタンフォード大学は
サンフランシスコからは
少し離れた郊外にあるので、
土地をゆったり使えるのでしょう。
広大な中庭があったり、
空間をゆったり使った
修道院風の建物が並んでいます。
広いので校内の移動は車か自転車で。



さて、今日のプログラムは
かなり刺激的でした。
「MUSIC FOR CHANGE:禁じられた国々」
と題したプログラム。 

2017年にトランプ大統領が、
イスラム教7か国の人々の
アメリカ合衆国へのアクセスを
厳しく制限する大統領令に署名しました。 

クロノス・クァルテットの
本日のプログラムは、
この大統領令への挑戦的な反応。 

入国が禁じられた7カ国の出身の作曲家
あるいはその7カ国に関わる作品を
取り上げたものです。

そもそも弦楽四重奏団の結成まもなくの
45年前から、クロノス・クァルテットは、
ジョージ・クラムの
戦争反対を掲げた作品
『黒い天使たち Black Angeles』を
演奏したり、
冷戦時代を扱うアルバム『Howl, USA』
をリリースしたり、などなど、
その時代時代の瞬間を反映する作品を
積極的に取り上げてきた団体。 

常に新しい分野を求めて
進化し続けている弦楽四重奏団だと思います。



今日は委嘱作品が多かったです。
作品が出来上がるまでに、
クロノス・クァルテットが、
MySpaceなどで見つけて、
自分たちが惚れ込んだ作曲家やバンドに
個人的にemailを送るところから始め、
何度も彼らとやり取りをし、
お互いのCDを交換し合ったりして
強い絆をつくり、作品を依頼する…
というプロセスがあることを知り、
新しい音楽を生み出すことへの
熱意を感じました。 

作品は、日本人の私には
あまり馴染みのない国々の
初めて聴く曲ばかりでしたが、
どの曲にも
その国固有のメロディーが
モティーフとして使われているので、
繰り返されるうちに、
中東やアフリカの国々それぞれに
特徴あるメロディーや音階が
存在することが理解できました。

さらに、中国・インド・コーカサス地方の
音楽に共通する要素もあって、
かつてシルクロードを通じて
音楽も運ばれていたのだろうな、
と感じられる部分がたくさんありました。 

曲と曲の間は、
イスラムの国々の都市で録られたと
思われるテープが流され、
街中の車の行き交う音、クラクション
サイレン、コーランを唱える声などが
入り混じったテープから
音楽へと自然につながっています。

弦楽四重奏とテープのみならず、
トライアングル、タンバリン、ゴングなどを
使っている作品もありました。

途中に休憩もなく、
ほぼ切れ目なく
すべての曲が連続して演奏されていたので、
終わったときは、
音楽で頭も心も満腹状態でした。 


日本でこうしたプログラムを
弦楽四重奏の公演で行うのは
なかなか大変だと思いますが、
アメリカの、
とくにスタンフォード大学のような
知識人が集う場所では
関心を持つ人が多いようで、
開場は賑わっていました。
テーマも演奏も会場の雰囲気も
ちょっと尖っていて
とにかくかっこよかった!


弦楽四重奏の公演では
日本でもアメリカでもシニアのお客様が
多いと思いますが、
今日は30代40代くらいの聴き手もたくさん。

素晴らしい音響の会場で
意欲的な作品の数々を聴くことができ、
刺激的な体験でした。


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2018年10月20日 
@ Bing Concert Hall, Stanford University
Kronos Quartet

Music For Change: The Banned Countries



2018年7月16日月曜日

【ゴールデンゲートパークに野外ピアノ! 】フラワーピアノ@サンフランシスコ植物園

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2018年7月14日
フラワーピアノ
@サンフランシスコ植物園(ゴールデンゲートパーク)
San Francisco Botanical Garden (Golden Gate Park)

7月6日から16日まで、
ゴールデンゲートパークの中にある、
サンフランシスコ植物園で開催されている、
フラワーピアノというイベントに
行ってきました。





植物園の広い敷地のいろんな場所に、
いろんな色と形の12台のピアノが
設置されていて、
プロの演奏家たちが
ピアノを演奏するのを
楽しむことができます。



もちろん、一般の人たちが
自由に弾ける日もあります。



夜にはナイトガーデンピアノという
コンサートが3日間に渡って開催されます。
弦が虹色に光るピアノも登場!?
ロシアの作曲家、スクリャービンが夢見た
「色光ピアノ」みたいですね。
神秘的というよりは
アメリカンなポップなピアノです。

木々と花がいっぱいの広い植物園の中
遠くからかすかに聞こえてくる
ピアノの音を頼りに
森の中のピアノを探しながら
散策するのは、楽しいです。




たくさんの可愛らしいピアノが
自然の中に溶け込んでいて
素敵ですが
中でもニュージーランド・ガーデンにある
ピアノは絵になる風景でした。



滝のようにワイルドに垂れ下がる木の枝の下に
ピアノがちょこんと置いてあります。
なんだか可愛いです。

フラワーピアノで演奏されているのは、
やっぱりアメリカなので
ジャズやミュージカルのナンバーを 演奏したり、
クラシックの名曲を
ジャズアレンジしたりする
ピアニストがほとんどでしたが、
 
その中に
自然と足が引き寄せられる
美しい演奏がありました。



青青とした木々と水に囲まれた
日本庭園の静謐な雰囲気の中で
バッハのコラールのアレンジを
演奏をしているピアニストがいて、

ほんとうにそこだけ…
別世界のようにお客さんが
真剣にシーンと聴いていらっしゃいました。


ピアノの音が生きていて
自然の中に吸い込まれていくようで
綺麗でした。

芝生に寝そべって本を読みながらや、
お弁当を用意して
ピクニックしながら聴いている人たちもたくさん。




フラワーガーデンピアノは
サンフランシスコ市民は無料です。
ナイトガーデンピアノは コンサートなので有料。 



土日はパーキングスポットを
見つけるのは大変ですので、
公共交通機関か、 自転車をおすすめします。

植物園じたいも広くて色とりどりの花が
咲き乱れていて、
散策するだけでもゆったり
幸せな気分になれます。




暑すぎず寒すぎず
気持ち良い日だったので
わたしはロードバイクで行ってきました。 

ゴールデンゲートパークの中や
途中、波のうねる太平洋を眺めながら
ビーチ沿いを走るのは
とっても気持ちよかったです!



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2018年7月14日 
@ San Francisco Botanical Garden
Flower Piano



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2018年4月27日金曜日

【サンフランシスコで室内楽】ヴァン・カイック弦楽四重奏団


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2018年4月15日
ヴァン・カイック弦楽四重奏団
@サンフランシスコ州立大学
McKenna Theater, San Francisco State University


ブログを大変ご無沙汰して
しまいました。
その間に、
ニューヨークからロサンゼルスへ、
さらにサンフランシスコに
引っ越していました。 

ニューヨークでもロサンゼルスでも
まだ書ききれていない印象深いコンサートが
たくさんあるのですが、
今日はサンフランシスコのコンサートを
紹介したいと思います。



週末にサンフランシスコ州立大学の室内楽ホールで、
弦楽四重奏を聴いてきました。


当日の演奏は、フランスの弦楽四重奏団
ヴァン・カイック弦楽四重奏団。

2015年に
ウィグモアホール国際弦楽四重奏コンクールで優勝。
目覚ましい活躍を見せる弦楽四重奏団のひとつ。
サンフランシスコでの今回の演奏は、
彼らにとって西海岸初の演奏会です。






曲目は、

メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第4番
 ホ短調 作品44-2
西村 朗:弦楽四重奏曲 第2番「光の波」
ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト長調 作品10 



ヴァン・カイックQの演奏は、
2014年の大阪国際室内楽コンクールで
聴いたことがあります。
チェロはその後新しいメンバーに交代したようです。
4年越しの再会にワクワクです。

2014年のコンクールの際は、
西村先生の同作品が課題曲に含まれていました。
本選では同じ曲を1日に6回くらい聴いた気がします。
朝から晩まで若手弦楽四重奏団たちの真剣勝負に
聴き入る…とても贅沢な時間でした。

音の振動がしびれのように伝わる冒頭を聴いた瞬間、
コンクールのときのものすごい緊張感が鮮やかに
蘇ってきました。





現代曲が苦手な方には、
現代曲を1日に何回も聴くというのは
苦行のように聞こえるかもしれませんが、
現代曲すべてが聴きにくいわけではありません。

まず、西村先生のこの作品は、
海外で受けいれられやすい特徴、
キャッチーな要素を多く備えていると思います。

難易度の高いあらゆる技術が
散りばめられているので、
コンクールの課題曲にもふさわしく、
かつ、聴き手もその独特の世界に
引き込まれる曲です。 

箏や三味線を彷彿とさせる和の音色や、
時代劇のワンシーンかと思うような効果音などが、
たくさん含まれていて、
想像力を掻き立てられる作品です。



こうした作品はCDやストリーミングで
聴くのではなく、
会場で見てこそ
楽しめる曲だと思います。

というのは、パートの受け渡しや、
個々のパートがそろって全体をつくる過程が
目に見てわかるためです。



特にそれがよくわかるのが、
この曲に使われている 「ホケット」という奏法。 
バリ島のケチャにヒントを得たそうです。

「ホケット」というのは、
ガムランに見られるように、
複数の演奏者がお互いに他の奏者を補うような形で
ひとつまたは複数の、リズムやメロディーラインを
編み出す奏法です。

この作品では、隅々まで計算された音楽の中に、
ときどき武満 徹やバルトークを
思い起こさせるフレーズも
ひょっこり顔をのぞかせます。


ヴァン・カイックQの演奏は、
落ち着いた余裕があって、
当然、4年前の演奏とは違うものでした。 

コンクールの手に汗握る雰囲気も好きでしたが、
同じ弦楽四重奏団による、
好きな音楽をお客様とシェアしたい、
という今日の雰囲気もとても心地よかったです。



同じアーティストさんの演奏を
何度も聴く機会は
意外に思いがけないところで
やってくることがあります。
なつかしい思い出とともに蘇る演奏。
聴き比べの醍醐味だと思います。

会場のお客様は、パリを拠点に活躍する
弦楽四重奏団による
ドビュッシーの弦楽四重奏の演奏が
ひときわ気にいったようです。
こじんまりとした、
あたたかい雰囲気の会場でした。
 




サンフランシスコ州立大学の
このコンサートシリーズは、
モリソン室内楽センターが主催してくださるおかげで
演奏会はすべて無料で提供されています。

過去のシリーズを見てみると、
過去にこのブログでご紹介させていただいた
ホルショフスキ・トリオも。
毎回演奏会とマスタークラスがセットで
開催されています。

日本ではこうした弦楽四重奏による
マスタークラス&演奏会は
まだまだ少ないですが
アメリカでは、弦楽四重奏団が
各地の大学に呼ばれたり
レジデントを務めることで
後進の指導や
クラシック音楽の普及に
大きく貢献しています。

弦楽四重奏団の
収入源のひとつであり、
さらにローカル・コミュニティも
その恩恵に預かっています。

サンフランシスコ州立大学は
市内の端の方にあるので
ダウンタウンと違って駐車スペースを
比較的見つけやすく助かります。
(駐車スペースの確保はSFの悩みの種)


近くで室内楽が定期的に
演奏されている場所を
早速発見できて、
サンフランシスコ音楽ライフは
幸先が良いかもしれません :)



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2018年4月15日 
@ San Francisco State University, Creative Arts Building, McKenna Theatre 
ヴァン・カイック弦楽四重奏団 
The Van Kuijk String Quartet 

メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第4番 ホ短調 作品44-2 
西村 朗:弦楽四重奏曲 第2番「光の波」 
ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト長調 作品10



● Link

【Soka University のコンサートホールがすごい!】

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