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2016年1月29日金曜日

苦難を乗り越え片手で紡ぐ魂の音 左手のピアニスト


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こんにちは、MUCHOJIです。
初めて当ブログをご訪問の方は、「はじめに」をお読みください。
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2015年9月13
苦難を乗り越え片手で紡ぐ魂の音
左手のピアニスト 智内威雄

智内威雄さんは、音大卒業後ドイツに渡り、
数々の国際コンクールに入賞。

華々しい活動をスタートしようとした矢先、
脳が体の一部を制御できなくなる難病
「局所性ジストニア」を発症、
右手を思うように動かすことができず、
演奏活動停止を余儀なくされます。

日常生活には支障はなくとも、
両手のピアノ演奏は諦めざるを得なかった智内さんは、
2003年から「左手のピアニスト」として活動を再開。

驚異的なテクニックと豊かな音楽性で新境地を切り拓き、
ハンディキャップを持っているからこそ気づいた音楽の力や、
再発見した左手のための歴史的な作品を
「心に響く命の音」として私たちに届けています。

その活動は各種テレビ番組でも取り上げられ
話題の人となりました。

この日のメインは作曲家、川上統さんが智内さんと
大蔵流狂言方の善竹隆司さんのために書き下ろした
「宮沢賢治の夜(朗読と左手ピアノのための)」。

宮沢賢治と同時代に生きたロシアの作曲家プロコフィエフを
思わせるようなモダンな響きと朗読により、
宮沢賢治の物語が紡がれました。

照明を落とした舞台上に浮かび上がるアーティストたち。
小さなホールの天井から音が星になって降ってくるよう。
 
大蔵流狂言方の善竹隆司さんの語りも
真に迫るものがあり、皆前のめりになって聴いていました。

プロコフィエフらしいちょっとシニカル&ラディカルな
響きのが垣間見える音楽に、
宮澤賢治自身が作曲した「星めぐりの歌」が
引用されているのも面白い。

智内さんさんの魅力はそのお人柄にもあります。
ステージで演奏している時の真剣な姿と、
気さくで、良い意味で力の抜けた、MCの時のギャップが
激しく、思わずほっこり。


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2015年9月13日  @宗次ホール
左手のピアニスト 智内威雄

ピアノ:智 威雄 
善竹 隆司

川上 組曲宮沢賢治の夜
と左手ピアノのための) 


2016年1月13日水曜日

パリの夜風を感じて... 広瀬悦子ピアノコンサート

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こんにちは、MUCHOJIです。
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2015年9月2日
広瀬悦子ピアノコンサート 
 
広瀬悦子さんは、名古屋出身、現在パリを拠点に活躍するピアニスト。
広瀬さんの演奏は何度か聴いていますが、
この日が素晴らしかったのは、そのセンス抜群のプログラミング。

昼間の演奏会ながら、プーランクの夜想曲、ドビュッシーのベルガマスク組曲、
ベートーヴェンの「月光」ソナタ、ラヴェルの「夜のガスパール」…などなど、
「夜の曲」づくしのプログラム。

楽曲の隅々までが把握された明快な音楽作り、
息が止まるほどの繊細で消え入りそうなピアニッシモ。
これほどの幅広い表現に長けた世界レベルの音楽家の演奏が、
平日の午後、ふらっと行ってみて聴けるというのはとても贅沢。

まず、プーランクの夜想曲第1番。
1929年に作曲された夜想曲第1番は、
いじらしい程に可愛らしく子供っぽいとすら言える旋律パターンに、
ほろりとさせる瞬間を見せる、まさにプーランクの典型的な語法で書かれた小品。
そこにストラヴィンスキー的な皮肉っぽさが少し含まれていて、
最後に印象的ですが奇妙なエピロローグが付いています。
広瀬さんのコケティッシュな魅力が存分に引き出される音楽。

次にドビュッシーのベルガマスク組曲。
第3曲には有名な「月の光」が。
静かな月夜を想い起こさせる印象的な旋律に始まり、
次いで現われるアルペッジョが流れる中間部では、
月の光のきらめきを色彩感溢れる響きが映し出されていきます。

実は、第1曲《プレリュード》にも、
フォーレの有名な歌曲《月の光》からの楽想が挿入されているので、これも夜の雰囲気。
 
そして、ベートーヴェンのピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調「月光」。
ロマン派の詩人、レルシュタープによって、
「ルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小船のよう」と評されたこの曲。

ベートーヴェンが本作を作曲した1801年は、
14歳年下の貴族の令嬢に寄せた実らぬ恋、耳の疾患による絶望、
そして翌1802年に起こった「ハイリゲンシュタットの遺書」事件と、
彼自身の身の上の不幸・不運が続き、その作品に影響を与えたと考えるのは容易です。

でも、そのイメージが一人歩きして、
作曲の経緯について事実無根の物語がいくつも登場しているようにも見えます。

終楽章の最後の即興的なカデンツァを経ての、
暗い情熱を連続する音符の渦に変えて締めくくられるところはため息が出ます。
次に、リスト作曲、超絶技巧練習曲 より「夕べの調べ」
超絶技巧練習曲全12曲中、最長の曲。低音で弾かれる鐘のような音。
シューマンが「全曲中でもっとも印象的な旋律」と語る
ピアニシシモのささやくような旋律が、序奏の中から静かに立ち上り、
神聖な雰囲気を演出します。

さらに、ドビュッシー作曲、前奏曲集 第1集 より「音と香りは夕べの大気の中に漂う」
これまた夕べの香り漂う曲。
4分の3拍子ですが、部分的には4分の2が加わり、
4分の5拍子になっていたり、左手が3拍子の時に右手に2拍子系が
加わっていたりします。

こうしたドビュッシーの好んだリズム法により、
不確定なリズムが際立ち、音、香りが漂う様が表現されています。

最後に、ラヴェル作曲の「夜のガスパール」
いずれもちょっとおどろおどろしい、暗闇に包まれた夜の曲ですが、
特に3曲中の第3曲「スカルボ」は、特異な響きが耳に残ります。

不気味な3つの単音で開始し、次いで「ド×, ミ, ソ♯, シ」の和音に
「レ♯」の連打という厳しい衝突。
全音音階や旋法を取り入れたり、異国風の旋律を挿入したりと技巧も様々。
自由に飛び回る小悪魔が目に浮かぶようでした。

広瀬さんはエレガントなイメージを持たれやすい方だと思いますが、
一方で、とても気さくでチャーミングな方でもあります。

パリの夜風に吹かれて終演後にホールを出たらまだ午後3時という(笑)



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2015年9月2日  @宗次ホール
広瀬悦子ピアノコンサート  

プーランク:夜想曲 第1番 ハ長調
ドビュッシー:ベルガマスク組曲
ベートーヴェン:ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2 「月光」
リスト:超絶技巧練習曲 より 夕べの調べ
ドビュッシー:前奏曲集 第1集 より 音と香りは夕べの大気の中に漂う
ラヴェル:夜のガスパール


【Soka University のコンサートホールがすごい!】

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