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2016年9月6日火曜日

ブルックリン橋のたもとに浮かぶコンサートホール Bargemusic

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こんにちは、MUCHOJIです。
初めて当ブログをご訪問の方は、「はじめに」をお読みください。
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8月31日 Here and Now Labor Day Festival
@Bargemusic Limited

レイバーデイ・ウィークエンドに開催されている
現代音楽のフェスティバルに行きました。 

ブルックリン橋のたもとに浮かぶユニークで美しいコンサート会場、
バージミュージック。


停泊している船の中がコンサートホールになっています。


船の一番前に舞台があり、その先はガラス張りになっているので、
クラシック音楽を優雅に聴きながら、
その向こうにマンハッタンのスカイラインや夜景が楽しめる、
というかなりオシャレなスポット。 



まさにデートにぴったり!という場所ですが、
今日の催し物は現代音楽のフェスティバル。
マニアックな音楽好きの聴衆が集います。

休憩中は、船の外に出てみなさん夜景を楽しんだり、
ワインを楽しんだり。


せっかくなので、舞台の反対側にも行ってみました。 


音響もわりといいですし、照明もきちんと整っていて、
お客さんとしてはとても雰囲気よく楽しめる空間。

演奏家さんとにとっては、楽屋がないのはちょっと不便ですが、
船なので仕方ないですね。

さて、現代音楽フェスティバルはどうだったかというと、
いわゆる意味不明な“ゲンダイオンガク”は、ほどんとありません。
日本人がイメージしがちな、
不協和音と無調と無旋律の気持ち悪いオンパレード、
というものには最近はあまり出会わない気がします。

もちろん新規性は欠かせないので、
作曲技法に何かしら新しい試みは取り入れられていますが、
最近ニューヨークでは、ある程度聴きやすく、
いろんな方が楽しめる現代音楽に出会うことが多くなってきました。

今日は現代音楽の初演作品8点が一同に演奏されたのですが、
いずれも聴いて楽しい音楽でした。

8作品どれも個性的でしたが、
デュオ夢乃さんが演奏する、米国の代表的なオペラ作曲家、
ダロン・ハーゲンによる「カンタービレ」(『平家物語』より)
が特に印象的でした。

チェロと箏という珍しい組み合わせで、
平家物語の平徳子(建礼門院)の一生と
彼女の歌を音楽物語にしたもの。

第1楽章は、平徳子の出家前までの半生を描いたもの。
女性として子供を産み、子供が天皇になり、
しかし壇ノ浦の戦いで子を失い入水するまでの波乱万丈の半生。
時折、掛け声が挿入されるなど、陰影の濃い印象的な楽章。

第2楽章は、源氏によって海から引き上げられた平徳子が出家し、
現世から隔絶された寺で亡くなった天皇や一門の菩提を弔う
静かな生活を描いています。

第2楽章の美しいガヴァティーナは声なしで演奏される歌。
器楽だけで演奏されることで、俗世間の生々しさが取り払われたように、
荘厳な雰囲気に満ちていました 。
掛け声や歌が用いられる第1楽章と第3楽章とのコントラストが際立ちます。

第3楽章は徳子の残した歌に基づきます。

第1楽章の最後の平家の一門が入水するくだりと、
幻想的な第2楽章では、ゆらゆら揺れる船の上という場所と相まって、
いっそうその世界に惹きこまれます。


もうひとつ印象的だった作品は、
David Shohl作曲の"WTF Goldberg Canons" for two keybords Manuals
ピアノとシンセサイザーという2つの鍵盤楽器のための
ゴルトベルク変奏曲のマニュアル。
演奏者は、プログラムによれば、W.T.F.Bach... ん?

舞台にW.T.F.Bachを名乗る若者が現れて、
バッハのゴルトベルク変奏曲のアリアのモティーフに基づいた
パズルのように複雑な作品を演奏します。
ロックでジャズでクラシックな現代版ゴルトベルク変奏曲。

W.T.F.Bach? バッハの子孫?
と最初は思ってしまったのですが、
そこに登場したのは、いたずらっぽい目のひょろっとした痩せ型の青年。
なるほど彼は "What the f*ck Bach" を名乗っているわけ。

続けてW.T.F.Bachは自分のオーディオ作品"Dash Underscore Dash"を披露。
こちらはもはや純粋な音楽演奏ではないのですが、
2つの作品に共通するのは、いずれもJ.S.バッハの傑作、
ゴルトベルク変奏曲の最初のバスのモティーフを
多かれ少なかれ展開したものであること。
しかもとてもユニークで皮肉めいた現代的な方法で。

ゲンダイオンガクはムズカシイという先入観をお持ちの方が
多いと思いますが、ニューヨークではHere and Now Festivalのように
見て楽しい聴いて心地よい現代音楽に出会えることもたくさんあるので、
こうした機会に訪れていただけたらと思います。

バージミュージックでは、室内楽のコンサートをたくさん開催しており、
ニューヨークの音楽ファンの中でも人気のある場所です。 

音楽はそれが演奏される場の効果と相まって、
聴く者にいっそう強い感動を与えたり、印象付けるもの。 

ユニークで雰囲気たっぷりのコンサートホールで、
クラシック音楽のコンサートというのも良いのではないでしょうか。



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2016年8月31日 
 Here and Now Labor Day Weekend Festival
@Bargemusic Limited 




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2016年8月8日月曜日

タングルウッド音楽祭の楽しみ方


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タングルウッド音楽祭。

ニューヨークから車で約2時間半、バークシャー地方にある街で、
6月下旬から9月上旬までボストン交響楽団や
ボストン・ポップスの演奏が楽しめる夏のイベントです。

コンサートホールの一番後ろは扉が開いて外につながっているので、
ホール席で聴いても、外で聴いても。

ここの醍醐味は夏ならではの芝生席!という人も多く、 みなさん
気持良い青空の下、ごろーんとしながら音楽を楽しんでいます。

せっかくなので、プレリュードコンサートはセイジ・オザワホールの芝生で、
本編はメインホールの中で聴くことにしました。

セイジ・オザワホール。



芝生で聴いていると、グースがやってきました。
鳥さんもいい音楽を聴きにきたのでしょう。
現代音楽になったら去って行きましたが… お気に召さなかったのか…(笑) 



可動式の後方扉は演奏が終わるとすぐに閉じられます。
湿気がすごいですからね… メンテナンスが大変そうなホールです。






ホール内から外の芝生席を逆に見るとこんな感じ。



この日のメインのコンサートが行われるKoussevitzky Music Shed でも、
ホールを取り囲むように芝生にみなさんお気に入りのリラックスグッズを持って
やってきます。


料理、キャンドル、花瓶にお花まで...
パーティレベルに持ってくる人もいます。
アメリカには、家にいるときの感覚をそのまま再現しようという人が
多い気がします。


メインのコンサートの最初は、ジョン・アダムズ「Harmonielehre」(初演:1985)
このタイトルにピンと来たら、音楽通さんです。

アルノルト・シェーンベルクが1911年に書いた著作「和声論Harmonielehre」
へのオマージュ作品。
だからシェーンベルクの著作と同じタイトルが付けられています。

シェーンベルクは1911年に西洋音楽の和声理論に関する著作を発表しますが、
皮肉なことに、シェーンベルク自身はその時期、
まさに和声の領域をこえて、12音技法を展開させようとしていた時でした。

12音技法は調的な中心を欠いた音楽。
シェーンベルクを敬いつつも、アダムズは調的中心を持たない音楽を
否定する作曲家、というのは面白いです。

この曲は初めて生演奏で聴きましたが、
オーケストラの中で音の波がうねっているのがわかる、
ダイナミックな作品でした。アダムズらしく打楽器が大活躍。

2曲目はショパンのピアノ協奏曲第2番。
ピアノ・ソロはイングリット・フリッター。
2000年のショパン国際ピアノコンクール第2位の
アルゼンチン生まれの女性ピアニストさん。

南米のピアニストというと、マルタ・アルゲリッチのような
情熱的な演奏(人生も!?)を想像するかもしれませんが、
イングリット・フリッターのショパンはそよ風のようで、
タングルウッドの森の中を心地よく流れて行きました。 

最後はリヒャルト・シュトラウスの交響詩
「ティル・オイゲン・シュピーゲルの愉快ないたずら」

中世の伝説的ないたずら者。
ティルが様々な人々をからかったり、いたずらをしたりして、
最後に捕まって絞首台にかけられてしまうまでのストーリーを、
さまざまな楽器のモティーフがあらわしているちょっと滑稽な曲。 



< ストーリー >

 「むかし一人の陽気な道化者がいた。―その名は、ティル・オイレンシュピーゲル。―彼はひどいいたずら者であった。―新たな行動に ―待て、偽善者よ ―跳べ、馬を市場の女たちの中へ。― 一足で7マイルも行けるという長靴をはいて逃げる。―こっそり姿を隠す。―僧衣を身につけ情熱と道徳を説く。―だが大きな足もとからならず者の姿が見える。―宗教を嘲笑したことで死におびえる。―騎士となったティルは美しい娘と丁寧な挨拶を交わす。―彼は求愛する。―きれいなバスケットは拒絶を意味した。―全人類への復讐を誓う。―俗物学者の動機。―ティルは、俗物学者に2、3の途方もない命題をだしてそこを去り、彼らを当惑させる。―遠くで顔をしかめる。―ティルの俗謡。―ティルの裁判。―ティルは他人事のように口笛を吹く。―梯子をのぼり絞首台にかけられ、呼吸はとまり、最後のもだえ。ティルの運命は終わった。」


夜のコンサートは8時に開演して10時くらいに終わるので、
終わる頃には満天の星空。
周りが森で暗いだけあって、星がとても綺麗です。 
芝生に寝そべって星空を眺めながらクラシック音楽というのもオシャレですね。
夜は冷えるので上着の持参をおすすめします。

近くにはアメリカを代表する画家、ノーマン・ロックウェル美術館があって
こちらもとても気持ちよい場所。





私たちは翌日さらに北に足を伸ばして、MassMOCA 美術館へ。
古い工場を改装したマサチューセッツ州のコンテンポラリーアートの美術館。






近くには、The Clarkというとても美しい建物の美術館もあります。

タングルウッド周辺は自然に溢れていて
リラックスしながら美術や音楽を楽しめる街がたくさんあります。

機会があればぜひ訪れて頂けたらと思います。



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2016年8月6日 
@Koussevitzky Music Shed, Tanglewood

J.アダムズ:Harmonielehre
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレン・シュピーゲルの愉快ないたずら」





【Soka University のコンサートホールがすごい!】

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