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こんにちは、MUCHOJIです。
初めて当ブログをご訪問の方は、「はじめに」をお読みください。
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タングルウッド音楽祭。
ニューヨークから車で約2時間半、バークシャー地方にある街で、
6月下旬から9月上旬までボストン交響楽団や
ボストン・ポップスの演奏が楽しめる夏のイベントです。
コンサートホールの一番後ろは扉が開いて外につながっているので、
ホール席で聴いても、外で聴いても。
ここの醍醐味は夏ならではの芝生席!という人も多く、 みなさん
気持良い青空の下、ごろーんとしながら音楽を楽しんでいます。
せっかくなので、プレリュードコンサートはセイジ・オザワホールの芝生で、
本編はメインホールの中で聴くことにしました。
セイジ・オザワホール。
芝生で聴いていると、グースがやってきました。
鳥さんもいい音楽を聴きにきたのでしょう。
現代音楽になったら去って行きましたが… お気に召さなかったのか…(笑)
可動式の後方扉は演奏が終わるとすぐに閉じられます。
湿気がすごいですからね… メンテナンスが大変そうなホールです。
ホール内から外の芝生席を逆に見るとこんな感じ。
この日のメインのコンサートが行われるKoussevitzky Music Shed でも、
ホールを取り囲むように芝生にみなさんお気に入りのリラックスグッズを持って
やってきます。
料理、キャンドル、花瓶にお花まで...
パーティレベルに持ってくる人もいます。
アメリカには、家にいるときの感覚をそのまま再現しようという人が
多い気がします。
メインのコンサートの最初は、ジョン・アダムズ「Harmonielehre」(初演:1985)
このタイトルにピンと来たら、音楽通さんです。
アルノルト・シェーンベルクが1911年に書いた著作「和声論Harmonielehre」
へのオマージュ作品。
だからシェーンベルクの著作と同じタイトルが付けられています。
シェーンベルクは1911年に西洋音楽の和声理論に関する著作を発表しますが、
皮肉なことに、シェーンベルク自身はその時期、
まさに和声の領域をこえて、12音技法を展開させようとしていた時でした。
12音技法は調的な中心を欠いた音楽。
シェーンベルクを敬いつつも、アダムズは調的中心を持たない音楽を
否定する作曲家、というのは面白いです。
この曲は初めて生演奏で聴きましたが、
オーケストラの中で音の波がうねっているのがわかる、
ダイナミックな作品でした。アダムズらしく打楽器が大活躍。
2曲目はショパンのピアノ協奏曲第2番。
ピアノ・ソロはイングリット・フリッター。
2000年のショパン国際ピアノコンクール第2位の
アルゼンチン生まれの女性ピアニストさん。
南米のピアニストというと、マルタ・アルゲリッチのような
情熱的な演奏(人生も!?)を想像するかもしれませんが、
イングリット・フリッターのショパンはそよ風のようで、
タングルウッドの森の中を心地よく流れて行きました。
最後はリヒャルト・シュトラウスの交響詩
「ティル・オイゲン・シュピーゲルの愉快ないたずら」
中世の伝説的ないたずら者。
ティルが様々な人々をからかったり、いたずらをしたりして、
最後に捕まって絞首台にかけられてしまうまでのストーリーを、
さまざまな楽器のモティーフがあらわしているちょっと滑稽な曲。
< ストーリー >
「むかし一人の陽気な道化者がいた。―その名は、ティル・オイレンシュピーゲル。―彼はひどいいたずら者であった。―新たな行動に ―待て、偽善者よ ―跳べ、馬を市場の女たちの中へ。― 一足で7マイルも行けるという長靴をはいて逃げる。―こっそり姿を隠す。―僧衣を身につけ情熱と道徳を説く。―だが大きな足もとからならず者の姿が見える。―宗教を嘲笑したことで死におびえる。―騎士となったティルは美しい娘と丁寧な挨拶を交わす。―彼は求愛する。―きれいなバスケットは拒絶を意味した。―全人類への復讐を誓う。―俗物学者の動機。―ティルは、俗物学者に2、3の途方もない命題をだしてそこを去り、彼らを当惑させる。―遠くで顔をしかめる。―ティルの俗謡。―ティルの裁判。―ティルは他人事のように口笛を吹く。―梯子をのぼり絞首台にかけられ、呼吸はとまり、最後のもだえ。ティルの運命は終わった。」
夜のコンサートは8時に開演して10時くらいに終わるので、
終わる頃には満天の星空。
周りが森で暗いだけあって、星がとても綺麗です。
芝生に寝そべって星空を眺めながらクラシック音楽というのもオシャレですね。
夜は冷えるので上着の持参をおすすめします。
近くにはアメリカを代表する画家、ノーマン・ロックウェル美術館があって
こちらもとても気持ちよい場所。
私たちは翌日さらに北に足を伸ばして、MassMOCA 美術館へ。
古い工場を改装したマサチューセッツ州のコンテンポラリーアートの美術館。
近くには、The Clarkというとても美しい建物の美術館もあります。
タングルウッド周辺は自然に溢れていて
リラックスしながら美術や音楽を楽しめる街がたくさんあります。
機会があればぜひ訪れて頂けたらと思います。
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2016年8月6日
@Koussevitzky Music Shed, Tanglewood
J.アダムズ:Harmonielehre
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレン・シュピーゲルの愉快ないたずら」
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