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こんにちは、MUCHOJIです。
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知る人ぞ知る!? 新たなコンサート・ヴェニュー発見!
夜な夜な複数の会場でクラシック音楽、オペラ、演劇、バレエなどが開催されているリンカーンセンター。
じつはそのちょうど裏側にあたる場所に、格安で上質の室内楽が聴けるヴェニューがあることを発見しました!
そこはリンカーンセンターの裏側にある韓国系の教会。
Good Shepherd Presbyterian Church
ジュピター・シンフォニー・チェンバー・プレイヤーズという名前で、アメリカ国内だけでなく、世界各地から一流の演奏家が集い、室内楽を演奏。
演奏メンバーは毎回異なります。
月に2〜3回コンサートが開催されていて、公演はすべて同日2回公演。
午後2時開演の部と午後7:30開演の部があります。
メトロポリタン・オペラやニューヨークシティバレエのあるリンカーンセンターの華々しさに対して、それほど知られていないようですが、マニアックな室内楽ファンが通い詰めているコンサートシリーズです。
教えてくださったのは昔ニューヨークに住んでいた頃の知人ですが、送られてきたリンクをクリックして最初に目に飛び込んできた演奏家の名前は、日本のコンサートホールで企画制作として働いていたときに何度も来演してくださっていたヴァイオリニスト、チャン・ユジンさん。
彼女の先生のミリアム・フリード先生、そして他にも若手で優れた演奏家たちの名前がずらり。
from Yoo Jin Jang Official website |
プログラムは、
J.S.バッハ:インヴェンションより抜粋(2つのヴァイオリンのための)
モシュレス:幻想曲、変奏曲とフィナーレ Op.46
ファニー・メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 変ホ長調
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第6番 変ホ長調 O.70-2
注目は、なかなか生演奏を聴けないファニー・メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲。
450曲以上の作品を書いたと言われているファニー・メンデルスゾーン。
フェリックス・メンデルスゾーンの姉として生まれ、優れた音楽的才能を発揮します。
当時女性が作曲家・演奏家として活躍するのは簡単ではありませんでした。
実際ファニーの父も彼女が音楽家として活躍することに反対。
幸い、画家で女性の社会的な活躍に理解ある夫に恵まれたファニーは、家庭を切り盛りしたり、息子を育てたり、夫のビジネス業務を整理たり、日記をつけたりしながら、200名もの客が訪れるコンサートを企画・運営し、さらに作曲をしていました。
自分の父が1835年に亡くなると、日記をつけることをやめ、それ以降は彼女の作曲した作品が日記の代わりとなりました。
メンデルスゾーン姉弟といえば、兄弟愛を超えているのではと疑われるほどの強い絆で結ばれていたことでも有名。
たとえば、1829年に姉のファニーは、弟のフェリックスに次のような手紙を送っています。
私はあなたの肖像画を前にしながら、愛しいあなたの名前を何度も呼び、私の傍にいるかのようにあなたのことを思っています。私は泣いています。私はこれからの生涯、毎朝、どの一瞬でも、心の底からあなたのことを愛します。そうしてもヘンゼル(夫)に悪いとは思いません。
(ファニーからフェリックスへの手紙 1829年10月2日)
じつは面白いことに、この日には表のリンカーンセンター Allice Tally Hallでは弟のフェリックス・メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第2番が演奏されていて、一方、まったく同じ時刻に教会では姉のファニー・メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲が演奏されていました。
フェリックス・メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第2番といえば、フェリックスが18歳のときに書いた、姉へのラブレターの意味も込められた作品。
さすがは恋人同士より仲がいいと言われていた姉弟。
お互いが共鳴しあっているみたいですね。
演奏は見事で、特にチャン・ユジンさんと彼女の先生、ミリアム・フリード先生の音色の表現は信じられないほど幅広く、色とりどりの音色のパレットを自在に操る様は、とても一挺のヴァイオリンで弾いているとは思えないほどでした。
第3楽章Romanzeはとろけそうに叙情的で美しく、終楽章では、弟フェリック・メンデルスゾーンの最後の弦楽四重奏曲第6番にも通ずる激しさが...
チャン・ユジンさんは2016年、第6回仙台国際音楽コンクールで優勝しているので、日本にもファンが多いと思います。
ユジンさんの 魅力は、ふんわりした愛らしい見た目を裏切る、決してお客様に媚びない選曲と、マイナーな室内楽にも真摯に取り組む超本格派であること。
おまけに性格もとっても良い❤
演奏後、She is superb! (彼女は最高!)とお客様が口々につぶやいていました。
少し前になりますが、ユジンさんの2015年の映像を紹介します。
ステージから舞台裏に戻ってきたときのユジンさんが見られる、ちょっとほっこりするビデオです。 張り詰めた空気が一瞬だけ緩む瞬間。
Good Shepherd Presbyterian Churchの会場の客席数は100〜120程度。
集客見込みによって多少変えているようです。
室内楽を聴くなら100席程度の会場が好みなのですが、ここも演奏家との距離が近く、 とても贅沢な気分になれます。
終演後には演奏家と話をして帰られるお客様も。
チケット価格も$10から$25まで。
ニューヨークは基本的にすべての物価が日本より高いですが、コンサートチケットだけは日本より安いです。
素晴らしいアーティストたちが世界中から集まって熾烈な競争が行われている ことと、パトロン&サポーターが多いからでしょう。
聴き手にとっては大変ありがたい街です。
Jupiter Symphony Chamber Players
今後も楽しみです。
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2017年2月6日
ジュピター・シンフォニー・チェンバー・プレイヤーズ
@Good Shepherd Presbyterian Church, NY
Fanny’s Belrin Salon
Roman Rabinovich piano
Miriam Fried violin
Yoo Jin Jang violin
Dimitri Murrath viola
Mihai Marica cello
Vadim Lando clarinet
J.S.バッハ:インヴェンションより抜粋(2台ヴァイオリン)
モシュレス:幻想曲、変奏曲とフィナーレ Op.46
ファニー・メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 変ホ長調
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第6番 変ホ長調 O.70-2
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