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こんにちは、MUCHOJIです。
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2015年5月13日
戸田弥生&エル=バシャ デュオリサイタル
いずれもエリザベート王妃国際コンクールの覇者。
ヴァイオリニストの戸田弥生さんと
レバノン人ピアニストのアブデル・ラーマン・エル=バシャさんのデュオリサイタル。
プログラムの3曲それぞれに素晴らしい演奏でしたが、
何と言っても圧巻はシューマンのヴァイオリンソナタ第2番。
核融合のようにそれぞれの個性がぶつかり合って熱を上げていく音楽。
ひときわ大きなブラヴォーが会場に響き渡りました!
この日は譜めくりさんが当日まで見つからず、
久々に譜めくりとして登板しました。
公演前にぶらあぼに掲載されたインタビューには、
エル=バシャさんはほぼすべてのレパートリーの曲を暗譜している、
と記載されていたので(まさに超人!)
もしかしたら、譜めくりいらないかも?
と思っていたのですが、コンディションにもよるようで、
この公演当日は譜めくり必要でした。
譜めくりの役得でしょうか?
至近距離で音の渦にのみ込まれるようなすごい迫力のシューマンのヴァイオリンソナタ第2番を聴くことができました。
ロベルト・シューマンといえば、人生そのものがロマン派音楽のような人物。
シューマンは完結したヴァイオリンソナタを2曲
(ブラームス、ディートリヒとの合作である「F.A.E.ソナタ」および
その改作である第3番を含めれば3曲)書いています。
いずれも結婚裁判の際に彼の弁護をしてくれたほどの親友でもある
ヴァイオリニスト、フェルディナント・ダーフィトの薦めによって
1851年にほぼ2ヶ月の期間を置いて書かれ、第2番は彼に捧げられました。
41歳にしてすでに晩年を迎えたシューマンが、
精神衰弱に苦しみつつもまだ作曲を続けられた最後の時期の作品で、
抑えきれない感情の起伏が音楽に如実に反映されています。
演奏時間のより短い第1番は、熱っぽくエネルギッシュ。
それに対して第2番は規模も大きく、より様々な表情が盛り込まれています。
シューマン自身も第2番により自信を持っていたとされ、
伴侶であるクララもこの第2番のソナタに対して
「私がほかに知らないような、驚くべき独創性、深さ、雄大さを備えている。
これは本当に、全く強力な音楽である」と語っています。
第1楽章は、10分以上の長さを持った堂々たる序奏つきのソナタ形式。
冒頭からヴァイオリンの重音で提示され、
楽章全体で象徴的に用いられる「レ・ラ・ファ・レ」の音は
「DAFD」の音名に対応し、ダーフィト(David)の名前を表しています。
第2楽章は、巨大な第1楽章と祈りに満ちた第3楽章の間に置かれたスケルツォ。
勇ましい「タンタ・タタタ」のリズムに乗って行進曲風に突き進みます。
第3楽章では、呟くようなピツィカートとピアノによって
コラール「主よ、深き苦しみの淵より、我れ汝の名を呼ぶ」の旋律が
とぎれとぎれに歌われ、楽章全体はこのテーマの変奏曲の体をなしています。
途中には前楽章の行進曲がまるで病の発作のように現れます。
第4楽章は、様々な気分が混乱したハイテンションな音楽。
気分は明と暗の間を激しく行き来し、とどまることを知りません。
もちろん、コンサートの後半に演奏された
フランク作曲のヴァイオリンソナタの演奏もすごかったのですが、
このシューマンがあまりにもどろどろとした(失礼!)
人間臭さが充満した怪演だったので、
なんだかシューマンのヴァイオリンソナタ第2番が終わった瞬間に、
今日のコンサートは終わってしまったような気がしました(笑)
アンコールはベートーヴェンのヴァイオリンソナタ 第6番より
心和む美しさを備えた第2楽章(アダージョ・モルト・エスプレッシーヴォ)でした。
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2015年5月13日 @宗次ホール
戸田弥生&エル=バシャ デュオリサイタル
ヴァイオリン:戸田弥生
ピアノ:アブデル・ラーマン・エル=バシャ
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第5番 へ長調 作品24 「春」
シューマン:ヴァイオリンソナタ 第2番 ニ短調 作品121
フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調
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